「IPv4アドレスが枯渇した」という話は何年も前から聞きますが、実務で困るのはIPv6の表記ルールとサブネットの数え方です。ここを押さえると、サーバー設定やファイアウォールのルール記述で迷わなくなります。
IPv4は約43億個しかない
IPv4アドレスは32ビット、つまり2の32乗=約43億個です。世界人口より少なく、1人が複数の端末を持つ現在では到底足りません。日本を含む各地域のレジストリではすでに新規の大口割り当ては終了しており、現在はNAT(アドレス変換)と移転市場で回っている状態です。

IPv6の表記ルール3つ
IPv6は128ビットを16進数4桁×8組で表します。長いので、次の省略ルールがあります。
- 各組の先頭の0は省略できる:
0db8→db8 - 連続する0の組は「::」でまとめられる:
2001:db8:0:0:0:0:0:1→2001:db8::1 - 「::」は1つのアドレスに1回だけ:2回使うと復元できなくなるため禁止
ログの突き合わせで「同じアドレスなのに文字列が一致しない」という事故は、この省略形と完全形が混在することで起こります。比較するときはどちらかの形に正規化してから扱うのが安全です。
CIDR表記「/24」は何を意味するか
192.0.2.0/24 の「/24」は、先頭24ビットがネットワーク部という意味です。残りの8ビットがホスト部になり、そのネットワーク内で使えるアドレスの範囲を決めます。
- ネットワークアドレス:
192.0.2.0(ホスト部が全て0) - ブロードキャストアドレス:
192.0.2.255(ホスト部が全て1) - 実際に機器へ割り当てられるのは
192.0.2.1〜192.0.2.254の254個
「/25にすると何台つながるのか」「2つのネットワークに分割したい」といった計算は手でやると間違えやすいところです。サブネット計算機にCIDRを入力すれば、ネットワークアドレス・ブロードキャスト・利用可能ホスト数をまとめて確認できます。
IPv6のサブネットは考え方が違う
IPv6では/64が1つのネットワークの基本単位です。IPv4のように「台数に合わせてホスト部を切り詰める」発想はほとんど使いません。アドレスが潤沢にあるため、末端のLANにも余裕をもって/64を割り当てるのが標準的です。
またIPv6にブロードキャストの概念はありません。その役割はマルチキャストが担います。IPv4の感覚で「末尾のアドレスは使えない」と考える必要はありません。
自分のサイトはIPv6に対応しているか
IPv6対応の第一歩は、DNSにAAAAレコードが設定されているかです。IPv6対応チェッカーでドメインを入力すれば、AAAAレコードの有無を確認できます。アドレスの省略形・完全形の相互変換はIPv6アドレス変換ツールが便利です。
まとめ
- IPv4は32ビット約43億個で、新規割り当ては事実上終了している
- IPv6は「::」による省略が1回だけ可能。比較時は正規化してから扱う
- CIDRの「/n」はネットワーク部のビット数。残りがホスト部になる
- IPv6は/64が基本単位で、ブロードキャストは存在しない

