IPアドレスは誰かが勝手に名乗れるものではなく、世界的な階層構造にもとづいて配分されています。この仕組みを知っておくと、WHOISの結果が読めるようになり、「このIPはどこの組織のものか」を自分で判断できるようになります。
IANAを頂点とした4段構造

頂点にあるのがIANAで、アドレス空間全体を管理しています。IANAは大きなブロックを5つのRIR(地域インターネットレジストリ)に割り当て、RIRがさらに各国のレジストリやISPへ、そして最終的に企業やデータセンターへと配られていきます。
5つのRIRと担当地域
- APNIC — アジア太平洋。日本はここの管轄で、国内ではJPNICが窓口になる
- ARIN — 北米
- RIPE NCC — 欧州・中東・中央アジア
- LACNIC — 中南米・カリブ海
- AFRINIC — アフリカ
WHOISでIPアドレスを引いたとき、応答してくるのはそのIPを管轄するRIRです。8.8.8.8 を引くとARINが応答するのは、Googleがその範囲を北米で割り当てられているからです。
AS番号 — ネットワークそのものの識別子
IPアドレスと並んでRIRが管理しているのがAS番号(Autonomous System Number)です。これは「独自の方針で経路制御を行うネットワークのまとまり」に付けられる番号で、ISPやデータセンターが持っています。
インターネットの経路制御(BGP)はこのAS同士が「うちからはこのアドレス範囲に行ける」と伝え合うことで成り立っています。IPアドレスを調べてAS番号がわかると、そのIPがどの事業者のネットワーク上にあるかが特定できます。
維持にはコストがかかる
IPアドレスやAS番号は買い切りではなく、RIRへの年会費を払い続けることで割り当てを維持する仕組みです。料金体系はRIRごとに考え方が異なります。
- APNIC — 保有アドレス量に応じて段階的に増える計算式を採用
- ARIN — 保有量で区切られたティア(区分)ごとの定額
- RIPE NCC — 保有量によらないメンバー定額が基本
IPv4が枯渇した現在、アドレスは移転市場で取引される資産にもなっています。保有コストの目安はRIR年会費シミュレーターで試算できます。
調べてみる
IPアドレスWHOIS検索にIPを入力すると、割り当て組織・ネットワーク範囲・AS番号・逆引きホスト名が確認できます。アクセスログに残った見慣れないIPが、どこのクラウドやISPのものかを判断する材料になります。
まとめ
- IPアドレスはIANA→RIR→NIR/LIR→エンドユーザーの順に配分される
- 日本はAPNICの管轄。国内窓口はJPNIC
- AS番号はネットワークの単位で、BGPによる経路制御の主体
- 割り当ての維持には年会費が必要。料金の考え方はRIRごとに異なる

